FAS転職希望なら面接/実務対策に読むべき書籍。分野別に現役コンサルタントが厳選

FASスキル

FASファームにおける仕事は、総合コンサルなどと比べても更に高い専門知識が求められます。

FAS業界への転職を希望するのであれば、書籍で具体的なイメージを得ておくことは極めて重要と言えます。

本記事では、そのような転職希望者の助けとなるよう、筆者の業界実務と読書経験からFAS業務にフィットした書籍を厳選してご紹介します。

(筆者について)税理士でも公認会計士でもなく業界経験もなかった状態から独立系FASに転職し8年が経ちました。FAS業界の実体験と業界人脈から得た知見をもとに、FAS転職に役立つ情報発信をしています。

まずどれから読むべきか?は、最も関心がある/転職を希望する分野で決める

FASの面接対策において重要なポイントが、どの仕事領域を志望するかという点です。

FASファームと一言にいってもその業務領域は多様です。例えばM&Aと企業再生といったFASの主戦場でも、仕事内容やキャリアパスは大幅に異なります。

よって予習のための書籍選びも、まずはどの領域に興味があるのかを検討しましょう。その上で書籍を購入すると共に、その領域に強いFASファームを探すというのが効率が良い方法となります。

分野別オススメ書籍

財務会計:日商簿記1級が財務会計の全般をカバー

財務会計の知識については、日商簿記1級のカバー範囲で十分対応可能です。試験を受ける受けない関係なしに、知識不足があれば簿記試験の参考書が一番効率よく勉強できます。

「合格テキスト」シリーズは筆者も転職活動~新人期にボロボロになるまで使い倒しました。この道では鉄板でありオススメできる参考書です。

1級は商工3冊組ですが、先ずは商業簿記(1)から初めて感触を得るのが良いでしょう。工業簿記は一番最後でも構いません。

合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学 (1) Ver.17.0 (よくわかる簿記シリーズ)
合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学 (1) Ver.17.0 (よくわかる簿記シリーズ)

バリュエーション:学術的に偏りすぎない実践的な内容を含む書籍を

バリュエーション(株価等の価値算定業務)は、金融工学方面に傾くとどこまでも学術的になります。

他方、FAS業務で求められるのは、理論的に確立された計算方式を実務へ適用することです。学問的な正しさよりも、便利度合いや納得感が得られる結果を求めることが重要です。

書籍選定においても、実践的志向に重きを置いているタイトルを選ぶべきです。以下の書籍は、そういった意味で実務向きでありオススメできます。

MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA2)
MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA2)

財務デュー・ディリジェンス(財務DD):Big4系書籍が良い

財務DDについては、Big4を中心に各社が出版している書籍がオススメです。

特に各勘定科目の評価方針や留意点が掲載されているものであれば、現場に持ち込めば調査の羅針盤代わりとしても役立ちます。

筆者としては、残念ながら既に廃版で中古購入のみとなっていますが、デロイト社の「統合型財務デュー・ディリジェンス」がオススメです。

「統合型」の名の通り、事業や人事等の分野との関連も含めた解説と、上記のような詳細な財務調査の手引きも掲載されています。初学者にとっては業務全貌を掴む助けにもなるはずです。

M&A統合型財務デユーデリジェンス
M&A統合型財務デユーデリジェンス

事業デュー・ディリジェンス(事業DD):実務家の書籍をピックアップ

事業DDは、ケースによってはFASファームによって財務と横断で実施されます。

ビジネス全般を意味するのか、あるいは損益計算書の調査を意味するのか、多少振れ幅のあるワードですが、FASが受け持つ場合は後者を意味する場合が大半です。書籍選び時にもどういった分野を指して「事業DD」と称しているか注意が必要です。

この場合のオススメ書籍として、筆者が新人時代に特に参考になった1冊を挙げます。FAS業界出身の社長の著書であり、FASを志す方にはマッチする内容となった書籍です。

事業デューデリジェンスの実務入門
Amazonで寺嶋直史の事業デューデリジェンスの実務入門。アマゾンならポイント還元本が多数。一度購入いただいた電子書籍は、KindleおよびFire端末、スマートフォンやタブレットなど、様々な端末でもお楽しみいただけます。

企業再生:財務専門家の観点から利害関係実務を説く、ピッタリな書籍がある

企業再生に関する書籍は、方向性が多様です。事業の再構築や組織体制に力点を置いたもの、コスト削減について解説するものなど様々存在しています。

ここでは、あくまで金融専門家の視点から実務を解説している書籍を紹介します。再生プロセスの中でのDD、計画策定、公的機関(中小企業再生支援協議会など)の活用方法、金融調整など、FAS業務にマッチした内容となっています。

再生業務に従事するのであれば入社後も必読ですし、あらかじめ読んでおけば実務イメージをつかむ手助けになるはずです。

実践的中小企業再生論〔第3版〕
「企業を元気にするために」 中小企業再生支援の最前線に立ち続ける著者の集大成 ●2013年の刊行以来、再生支援の現場で「物差し」として利用されてきた「実践的中小企業再生論」の最新版。 ●中小企業再生支援協議会の運用の変更や、「経営者保証ガイドライン」の策定と運用開始、金融検査マニュアルの廃止など、実務動向を踏まえて記述...

M&A実務:金融テクニカルにも踏み込んだ書籍が良い

M&Aに関する書籍は多数出版されていますが、事業やシナジー、マネジメント等に重きを置いたものも少なくありません。

そういった方面の知見も当然必要ですが、FAS業界を志す初学者であれば、基礎固めには金融面のテクニカル論にもきちんとページを割く書籍を選ぶべきです。

下記の書籍は、そういった意味でバランスが取れた内容となっています。FASの観点でM&A業務の全容をつかみたい場合に役立つ一冊です。

M&Aとガバナンス―企業価値最大化のベスト・プラクティス (MBAコーポレート・ファイナンス)
M&Aとガバナンス―企業価値最大化のベスト・プラクティス (MBAコーポレート・ファイナンス)

管理会計:ケース・スタディから学ぶのが効果的

管理会計は、FASの周辺業務としては重要な領域です。企業再生やM&Aで関与したクライアントに対して提供できれば、LTV(ライフ・タイム・バリュー)を高めることに貢献します。

管理会計については、実際の事例を取り上げて方策を学ぶ方法が効果的です。

以下の書籍は、GoogleやJALなど、際立った業績や再生の実績を持つ会社を中心に様々なケースが取り上げられており、示唆に富んだ内容となっています。

ケースで学ぶ管理会計 -ビジネスの成功と失敗の裏には管理会計の優劣がある-
ビジネスの成功と失敗の裏には管理会計の優劣がある。『週刊経営財務』の人気連載をケーススタディ中心に再構成し、関連する理論も解説。マネジメントに役立つ管理会計を解説する。 豊富なケースでわかりやすく解説! CASE1 長年赤字だった企業が1 年で黒字に CASE2 マトリクス組織で売上増大 CASE3 商社系SI ベンダ...

(参考)各業務分野の詳細は別記事に掲載しています。

(関連記事)FAS(フィナンシャル・アドバイザリー・サービス)の概要にて、各分野の業務内容詳細を解説しています。

書籍と合わせて読めば理解度が高まるはずです。ぜひご参考ください。

FASのキャリアに興味が湧いたら、まずは行動してみましょう

FASは、筆者が8年以上働いてきた実感として、上を目指す人に対しては自信をもって勧められる職業です。思い立ったが吉日、これを機にFASキャリア実現への第1歩を踏み出しましょう。

■簿記の基礎知識が既にある人→下準備としては十分です。まずは転職エージェントに相談してみましょう。エージェントの選び方と活用戦略はこちら

■簿記が未学習に人→FASは簿記知識を基礎にしたプロフェッショナルです。3ヶ月もかければ十分なので、先ずは簿記の勉強を始めましょう。FAS転職を見据えた簿記の学習戦略はこちら

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